流れ星リュックサックの枕かな    松藤素子
​天高しダムに小さく人のゐて     岸田祐子
こぼれてもこぼれてもなほ濃紅梅   栗原ゆみ
​たくましき根の力より生ふ若葉    花川和久
踊子の幼なじみと分かるまで    河野ひろみ
花吹雪人を助ける覚悟かな      竹岡俊一
ままごとの一枚の葉に春を盛る   椋 麻里子
​手のひらにのるほどの靴春を待つ   涌羅由美
ヨーロッパでの自転車

​弐​

​野分会の俳句

気負はずに文月の空透きとほる
知恵の輪に思考絡まり蝉時雨
本当の幸せ悟る冬のばら
鮮やかなアスパラガスの日曜日

河野ひろみ​

2002年よりホトトギス投句。スイーツ大好き。King Gnu、back number、吉井和哉に夢中。元バンギャ。

釣堀の魚も吾も慣れてをり
白服の整列ここぞ別れ際
逃げながらあの子を狙ふ水試合
文月や手帳の隅に句を拾ふ

​竹岡俊一

1968年生まれ、愛媛県松山市出身です。よろしくお願いいたします。

秋高し大縄跳びにまた一人
ふゆごもり紙の動物園の中
紙魚の喰ふ兄と私のぐりとぐら
記念日の薔薇一本の重さかな

​椋 麻里子

1983年12月28日生 鳥取県

ホトトギス投句歴6年

第32回日本伝統俳句協会賞新人賞受賞。好きなことは​「食」。作るのも食べるのも好き。

はらはらと散りひらひらと蝶となり
白き歯の見えて勝利の日焼顔
島の子とひと目でわかる泳ぎかな
リスト弾く第一音にある淑気

​涌羅由美

神戸市在住。ライフワークは、俳句と音楽そしてスポーツ。豊かな自然の恵みに感謝しながら、音楽を奏でるように詩情豊かな句を詠んでいきたいです。句集『音色』

冷ややかな音突き抜けるホームラン
ただいまをすり抜けてゆく春の猫
父となりサンタクロースともなりぬ
落つるとも堕つることなき花椿

松藤素子

香港生まれ。ジュネーブで知り合った鳴戸まり子さんに誘われ2015年に野分会入会。2021年ホトトギス同人。

祖父はホトトギス同人の松藤夏山

散り際のもつとも赤き冬薔薇

紅白の梅の十三回忌かな
花冷の土の香りの雨となる
さみだるる自動販売機の光

岸田祐子

第20回日本伝統俳句協会新人賞
2009年よりホトトギスに投句
ビールとダムが好き。
タロットカードを使って俳句を占っています。

一億の悲しみを背に山笑ふ
皐月富士より賜りし水に生く
存在の軽さ重さや蚯蚓鳴く
関東の地平の果てに鳥帰る

栗原ゆみ

静岡県生まれ。幼少期、祖母とともに俳句に親しむ。2010年よりホトトギスに投句を始める。

二児の保護者。

七十年瞬く戦後星流る
親は親子は子の役目煤払
咲く力咲かせる思ひ寒牡丹
きのふにはなき風のおと秋立ちぬ

​花川和久

1966年生まれ。岐阜市在住。旅行社とブティックを営んでいます。仕事上、旅行中の景色を句に詠むことが多く、また、お客様との話題の中で俳句の魅力を伝えるよう心掛けています。